さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜


そんなことを思いながら、夏葉ちゃんが解き終わったプリントをチェックしていたそのとき。


ふと、向かい側からじーっと視線を感じた。


手を止めて視線を上げると、その犯人は茉白ちゃん。

さっきまで静かに自習をしていたはずなのに、いつの間にかシャーペンを置き、頬杖をついてこちらを見つめていたのだ。


「……何?」

「いや……千歳も眼鏡かけるんだな、って思って」


……そんなこと?

確かに彼女の言う通り、私は細フレームの眼鏡をかけていた。


そんなに珍しいかな?

授業中とかも何回か掛けてたと思うんだけど。


「……勉強の時だけだよ。近くの文字ずっと見てるの苦手で」

「いいね。可愛い」


ちょっと目を細め、褒めてくれる茉白ちゃん。

窓から差し込むオレンジの西日に色素の薄い髪が透けて、少女漫画のヒロインの如き儚さだ。


可愛いのはあなたの方だよ……。