さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



……この人、絶対ムキになってる。

私に弄ばれるだけじゃ嫌だからって、こうやってマウント取り返そうとしてきてるんだ。


葵の時といい、なんでハニートラップ仕掛けたら漏れなく恋愛バトルになるの?

私そんな恋愛強者じゃないんだって……と内心で舌打ちする私に、霞はスッと近づいてきて。


「……誘ってんじゃねーよ。バカが」


耳元で、低く吐き捨てた。


ぞく、と震える背筋。

気圧されてしまい、何も言い返せない。


──と、そんな私たちのテーブル下の攻防に、鋭い峰間京が気づいていないはずもなく。

向かいで頬杖をつき、夏葉ちゃんの話に付き合うフリをしながら、隠しきれないドス黒イライラオーラを全開に放っていた。


本当にごめん、京、抑えて……!!


今にも修羅場が勃発しそうな危険すぎる空気感。

しかしJK組はそれに気づいてるのかいないのか、至っていつも通りのテンションで会話を続けている。