さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



毒を盛ったはずの料理を、極上のご馳走として美味しく食べられてるような感覚だ。

効いてるはずなのに、なんで死なないんだよ……。


最初は楽勝かと思ってたけど、学校にまともに通える期間も今日と残り一週間しかないので、実は割とピンチ。


来週からはちょっとアプローチの方法を変えた方がいいかもしれないな。

と、そんなことを考えつつ霞から手を離そうとした──のだけれど。


パシッ。


強引に手首を掴まれ、阻止された。


…………え?


衝撃に固まる私をいいことに、霞はそのまま机の下で、一本ずつ指を絡めてくる。


──恋人繋ぎ。


「……!」


まさかそっちから何か仕掛けてくるなんて思ってもいなくて、私は完全に動揺してしまった。

息を詰まらせる私の反応を窺い、霞は良い気になったのか、さらにぎゅっと強く握ってきて。

そのまま、親指で私の指の付け根あたりをスリスリと撫でてくる始末。