「だめ」
「……へぇ」
スッ、と目を細め、私から視線を逸らす霞。
あ、諦めてくれたのかな?と思ったのも束の間、彼はあろうことかその場の全員に向かって喋り始めた。
「なぁ、お前ら面白い話聞く?」
「何ー?」
「千歳コイツ前さぁ──」
ぴたり。
霞の言葉が、強制中断された。
何故か?
──私が机の下で、彼の脚に手を置いたから。
…………いや何やってんの私。
反射的に行動に出てから、脳内で猛烈に後悔する。
数週間前、峰間京にされてドン引きしたのと同じことを普通にやってしまっている自分が怖い。
でも、ムキになって言い返すのも相手を喜ばせるだけだし、咄嗟に思いついた最適解がこれしかなかったのだ。
そしてその読み通り、効果はテキメン。
さっきまで勝ち誇っていた霞は、不意の接触に喉を詰まらせ、さすがに言葉に詰まっている。
