さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「ねぇ千歳。俺ら結婚するもんね〜♡」

「ははは」

「何歳で子ども作ろっか?」

「えー八十」

「ほらめんどくさくなってんじゃん千歳」

「やめたげなってそのノリ」


JK組はどうやら京の悪ふざけだと認識してくれたらしく、なんとか火種は鎮火された。

表面上は笑顔を保っているけど、心臓はバックバクだ。


頼むよ京くん、私何気に夏葉ちゃんたちが初めてできた女友達だから、友情崩壊したくないの……!

と、そんな心臓に悪い喧騒の中で。


霞だけはその話の輪に入らず、さっきから無言のまま、こちらをじーーっと見つめてきていた。


……落ち着かない。


その強い視線が、横顔をなぞる。まつ毛、鼻、唇──

さらに下に降りて、喉元、鎖骨まで。