さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



唯一分かりやすく変わったことといえば──

私の女装姿に多少影響されたのか、霞からのセクハラまがいの接触や際どい冗談が三割増しくらいになったことくらいかな?


表では私を目の敵にしているふうだけど、昼を食べる時は当然のように私の隣を陣取ってくるし、肩を抱く力が妙に強かったりして、いちいちヒヤヒヤさせられる。

……まぁそれでもすぐに言及してこないってことは、一応女だとバレてはない、のか?

この人、女だって分かった瞬間にいつかの峰間京みたいにコロッと態度を変えそうなタイプだし。


ただ、あそこまで物理的に探っておいて、気づいてないっていうのも勘の良い彼にしてはおかしい気がする。

密かに確信は持っているけれど、敢えて泳がせているだけとか……?だとしたら一体なんのために?


と、死ぬほど深読みして思考の泥沼にハマったまま、早くも一週間が過ぎ去って。

気づけば、すでに第三週目の金曜日を迎えていた。


今はお昼休み。

色々な懸念に苛まれ神経ピリピリ状態の私とは裏腹に、春に相応しい暖かな陽射しがラウンジに差し込んでいる。