そんなこんなで、死ぬほど不穏な空気を残して終わった新学期二週間目。
あの放課後以来、私はいつ霞から男装バレという名の引導を渡されるか気が気ではなかった。
もしバレてしまったら最後、今まで膨大な労力を使って緻密に練り上げてきた計画が水の泡。
一瞬にして主導権を奪い取られ、あの傍若無人男の言いなりになるしかなくなってしまう。
もう嫌だ……JK二人組から聞いたところによると、霞って性癖エグいらしいし。
……いや、まぁ芸能人のくせにガッツリ路チューしてるくらいだもんね。
弱みを握られた暁には一体どんなことをさせられるのか……と、最悪のシナリオに怯えながら月曜日の校門をくぐった私だったけど。
──結論から言うと。
拍子抜けするくらい、何もなかった。
誇張ではない。
本当に、文字通り何のアプローチもなかったのだ。
この一週間、彼は相も変わらず私に雑に絡んでくるし、茉白ちゃんを見つければ懲りずにナンパを続けている。
京とは……うん、多少は仲悪くなったみたいで、たまに険悪な睨み合いが発生しているけれど、それ以外は変わらずまだつるみ続けているみたい。
