登場早々フルボッコを食らった明頼の絶叫が轟く。
不憫ではあるけれど、彼にヘイトが向くことで修羅場が有耶無耶になるのは正直ありがたいので、私はそのまま静観していた。
……けれど、そんな喧騒の中でも、霞だけは依然として明頼に気を取られない。
むしろ、こちらにじーっと視線を向けたまま、顎に手を当てて考え込んでいるような様子。
う、完全にロックオンされてるよね、これ……。
女っぽい男と言って誤魔化し続けられるのも、多分時間の問題だろうな。
そんな最悪の予感に冷や汗を滲ませながら、私は一気に騒がしくなったラウンジの片隅で、ひとり静かにため息を吐くしか無かった。
