「ちっとせくーーーん!!!!」
遠くから両耳を貫通する、聞き慣れた大声。
ハッとして視線を上げると、ラウンジの入り口からこちらに全力疾走してくる人影が一つ。
その正体は、私の女装姿で鼻血を出し、しばらく保健室に姿を消していた男──
小山明頼だ。
鼻に詰め物、両手にうちわで、ドドドドドッ、とこちらに突っ込んでくる不審者。
え、しぬ……?
命の危機を感じた私がサッと避けると同時に、明頼がベシャッ!!と背もたれに顔面から追突して潰れた。
大丈夫かな。
大事故を前にちょっと表情を引き攣らせる私だったけど、他のみんなから微塵も心配の言葉はかからず、むしろゴミを見るような目で迎え入れられる明頼。
「成仏しろよ」
「あーあ見えちゃった」
「おい誰か塩撒いとけ早く」
「ねぇなんで俺ってすぐ怪奇認定されんの?!?!」
