さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



ぴしり、と喉奥が凍りつく。


これって、まさか…………いや、間違いない。

探られてる。


私の身体に触れながら、じっ、とこちらの反応を窺ってくる霞。


さら……と目の前で揺れる繊細な前髪。

こちらの動揺を見透かしてるみたいな、それでいて確かな熱っぽさを帯びた、読めない瞳。


昨日、彼の家で急に距離を詰められたときと同じ──

こちらを崩しにくるモードの霞だ。


完全に気圧されてしまい、ドッドッドッと嫌でも加速していく心臓の鼓動。

呼吸すら忘れて固まる私を前に、霞が静かに口を開く。


「なぁ、千歳──」

「はいそこまで」


ベリッ!!!!

そんな効果音がつきそうな勢いで、私と霞が引き剥がされた。