さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



ちなみに、こうしてラウンジに拘束されてからどれくらいの時間が経ったかというと、もうそろそろ一時間が過ぎるところ。

さすがにそろそろ終わってもいいのでは……?と思うけれど、生憎ここにいるのはあらゆる場面で強いこだわりを見せるストイックな職人二人組。

妥協を許さない&隙あらばコンセプトの擦り合わせで揉めるせいで、そのプロ級の手際の良さが相殺されこんなにも長引いている。


アイドル系細眉vs韓国系並行眉とか、セパレートまつ毛vs束感まつ毛とか、私にとってはマジでどっちでもいい議題で死ぬほどディベートし始めた時は本当にどうしようかと思った。

とはいえ、私が彼女たちの間に入れるほどの美容知識を持ち合わせているとも思えないので、結局黙ってされるがままになるしかなかったんだけど。


──と、そんなことを考えているうちにようやく山場だったアイメイクも終了。

仕上げにピンク系のリップを二本重ねてふんわりグラデーションを作ったら、ようやくメイクが完成した。


無駄にキラキラしたブランドものの鏡を手渡され、覗き込んでみた私は、その有り様を前に思わず顔をしかめてしまう。


──うーわ、どうしよう、めっちゃ女……。