「いいじゃんどっちも使えば。2デッキ使ってできるゲームもあるよね?」
私がそう聞くと、それまでスマホに視線を落としたまま黙っていた京が、ふっと顔を上げ口を開いた。
「大富豪やる?」
ぴしり。
反射的に表情が固まった。
「あ、いいじゃん」と賛成ムードになる面々をよそに、一人俯いて考え込む。
大富豪は有名なゲームだから、勿論過去に何回かやったことはあるけれど──
例によって、いい思い出が一つもない。
あれは戦略も大事だけど、そもそもの手札が雑魚だったら戦略もクソもない運ゲーだ。
京、私の運が壊滅的だってことは知ってるよね?
だったらもっと私が公平に戦える、暗記系とか心理戦とか、そういうのを提案して欲しいんだけど……と、少し咎めるような視線を向ける。
すると、京はニコッと爽やかに微笑み返してきた。
