さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



あまりにも分かりやすい霞の反応に、大体の事情を共有しているエマプロ組からは察したような、それでいて半ば感心したような視線が飛んでくる。

特に、三次の葵攻略作戦の時の私を知らない陽斗は『千歳こっわ……』とでも言うように唇の端を引き攣らせていた。


とんでもない女狐だと思われてそうで恥ずかしいけど……作戦に必要なことだ。表情を保って、我慢、我慢。

そんな中で、私が内心無理をしていることを察したのか、黙って見ていた茉白ちゃんがさらりと話題転換する。


「っていうか、こんな大人数でお昼食べるの何気に初めてかも私」

「え、俺も俺も。せっかく8人も居るんだし、なんか楽しいことしたくね?」


茉白ちゃんにすぐさま乗っかったのは明頼だ。

さっきまで私と霞の絡みを前に死ぬほど嫌な顔をしていたぶん、話題が変わったのが嬉しくて仕方ないらしい。


「楽しいことって何?喋ってるだけじゃダメなの?」

「いや、なんつーかさ、みんなでできるゲームとかやりたい」

「あっ、トランプ持ってるよ〜うち」


夏葉ちゃんがそう言いながら、スクバをガサゴソと漁ってトランプを2デッキ取り出す。

一つは赤と黒の、見慣れたスタンダードなトランプ。

もう一つはパステルカラーで可愛くデザインされた、やたら女子力の高いお洒落トランプだった。