私は、そこでようやく自分の熱量に気づいた。
……引かれた?
流石に、遥風に本音をぶつけすぎたかも。
そんな不安が胸をよぎり、私は視線を伏せた。
けれど──
「……ふはっ」
吹き出すような、軽い笑い声が静かな部屋に響いた。
顔を上げると、遥風が口元を緩めて、私を見ていた。
さらと落ちる長めの前髪の奥、黒曜石のような瞳に瞬く揶揄うような光。
「お前、俺のことどんだけ好きなの?」
「……え」
思わず、間抜けな声が出た。
……確かに、さっきの私の言葉の熱量は、ほとんど告白みたいなものだ。
そのことに気づいた途端、一気に顔に熱が集まったのが分かった。
そ、そんなつもりじゃ無かった……!
「違っ、ただ、感情移入しちゃって、その、仲間としてのアドバイスみたいなものだから、決してそういう意味じゃ……!」
半分パニックになって、慌てて言い繕う私を愉快そうに眺める遥風。
「そんなムキになんなよ……悲しいわ」
「いや、だって……!」
なおも反論しようとする私に、遥風がぐいっと身を寄せてきた。
いつもの、柑橘系の爽やかな香りが濃く香って、ドキッと心臓が跳ね上がって──
「……俺は好きだよ、お前のこと」
息が、止まった。
