ゾクゾク、と戦慄する背筋。
こいつ……今すぐぶん殴りてぇのに……クッソ、指一本動かねぇ。
キッ、と思いきり睨み上げると、千歳はおかしそうに目を細めて、あっさり身を引いた。
「じゃ、また明日」
ニコ、と何事もなかったみたいに、いつもの笑顔を残し、鞄を肩にかけて部屋のドアへ向かう。
は……?
おい、マジで帰んのかよ……?
いや、まぁ確かにタイプだけ教えてさっさと帰れとは言ったけど……ここまでして帰るか、普通?!
……いや別に続けろってわけでもないけど!!むしろ全然帰ってほしいから引き留めねぇけどな?!もう二度と来んなよ?!?!
と、内心で必死に絶叫する俺を置いて、ガチャン……と閉まる部屋のドア。
…………
静寂が室内を満たし、時計の秒針の音と、早鐘を打つ自分の心臓の音だけが、ドッドッドッドッ……とうるさく響いていた。
