ふたつのさくら

……そうなのです。

璃奈さん、異様に距離感が近いのです!

基本的に僕は、自分のスペースに人を入れない。

人と会うときは、いつも一定の距離感と警戒心を持って会っているのだ。

僕が全くの警戒を持たずに接するのは、凍夜と菖蒲だけ。

咲良さんに対しても、絶対に警戒は解かない。

理由はもちろん、咲良さんが危ないから。

だというのに、この子。

僕が作っているバリケードを勢いよく蹴飛ばして入ってくるじゃないですか!

心理的な距離感はまだ保たれているけど、物理的な距離感はバグりまくってる。

学校行ってなかったから仕方ない、と言われたらそれまでなんだけど、それでも近い。

近いものは近いし、僕としてもいろんな意味で疲れる。

知ってます?

僕、人間との距離が近くなると苦しくなってくるんですよ。

最近は特に酷くてですね。

何もない風を装っているけど、かなり辛いんですからね?!

凍夜や菖蒲は自分と大して変わらない存在だからか、そうはならない。

だけど璃奈さんは違うから!

だったらガツンと言えばいいんだけど、それもできない。

僕だって嫌なものは嫌だって、言いたい。

でも先週、やんわりと近いよーって拒否したら、泣き出しちゃったんだよ。

もう僕、何も言えないよね。

岡崎先生に相談しても、「そのうち分かってくるよ」って。

なんなの?

先生、僕のこと知ってるよね?

あ、でもそうか。

食人衝動のことは言ってなかったっけ。

しくったー!