ふたつのさくら

しばらく2人でどうでもいいことをつらつらと話していると、お母さまが戻ってきた。

「お待たせ、凍夜くん。これ、お願いね。」

「はい。確かに受け取りました。」

凍夜くんは両手で手紙を受け取り、それをカバンに入れた。

「それでは、俺はこれで。来月まで、ゆっくりとお休みください。」

そう言って帰って行った。

2人だけになった客間で、お母さまに声をかける。

「お母さま、手紙には何が書いてあったの?」

お母さまは少し考えて、答えた。

「うーん……当主同士の秘密の相談?」

「えー?なにそれ、ずるーい!」

当主の話じゃ私はどう頑張っても教えてもらえないじゃない!

「ふふっ。いずれ、ね?」

お母さまは意味深に笑いながらそう言って、頭を撫でてくる。

そして立ち上がり、襖を開けた。

「それじゃ、私ちょっと寝てくるね。咲良もちゃんと休みなさいよ。」

あくびをしながらそれだけ言って、出て行ってしまう。

私はその場に横になった。

そのまま携帯を操作して、朔羅にメッセージを送る。

畳がいい匂いで、すぐに眠ってしまった。