ふたつのさくら

畳の上にトランプを広げ、順番にめくっていく。

ここで新事実!

「もう、やめます?」

「やーだー!もう一回やるの!勝つまでやるー!」

咲良さん、神経衰弱が非常に弱い。

4戦やって、全部僕の勝ち。

しかもどれも、10ペア以上の差をつけての圧勝だった。

だんだんと泣きそうになるものだから、そう提案したんだけど、断られてしまった。

「……分かりました。」

僕はふだをシャッフルして、また畳に並べた。

そうしたところで、部屋の襖が開かれた。

「あぁ、こんなところにいたのね。」

柔らかい笑顔をした、渡貫家当主が立っていた。

彼女は僕に目線を合わせ、言ってきた。

「朔羅くん、お父さまが呼んでいます。戻りましょうか。」

「はい。」

僕が返事したのを確認すると、今度は咲良さんに向き直って声をかけた。

「咲良、あなたはここにいなさい。お片付けして、待っててね。」

「……はーい。」

咲良さんは不機嫌そうに返事した。