ふたつのさくら

……学校生活にも慣れた7月頭、僕は父である先代、当時の徒野家当主に呼び出された。

「朔羅、8歳の誕生日、だから9月1日だね。その日にお前のお披露目をしよう。」

優しい声で、僕に言った。

「お披露目、ですか?」

正直、5歳でやらなかったから別にやらなくてもいいと思っていたけど、家としてはそうではないらしい。

「ああ。今度、下の子も生まれるだろう?その報告も兼ねて。最近は落ち着いてるみたいだしね。」

それに、と当主は言った。

「渡貫と、今後のことも離さないといけないからな。」

「……?」

何を言っているのか、全くわからなかった。

ただ、当主がなにか、おそらく僕のことで、ひどく悩んでいるのだということはわかった。