ふたつのさくら

……日曜日。

僕は案の定、熱を出した。

自分の中で荒れ狂うものを必死に押さえつけながら薬を出す。

解熱剤と、力の抑制剤。

頭痛薬は、どうせ効かない。

薬を飲んだら、あとはひたすら自分との戦いだ。

薬なんて気休めにしかならない。

効いてくれれば多少は楽になるけど、それでも多少だ。

鍋いっぱいの熱湯の中に、角砂糖ほどの氷を1つ入れたくらい。

絶望的なまでに1人で戦うしかないのだ。

なんで急に、こんなに酷くなったのかはわからない。

ついこの間までは平気だったのに。

いや、むしろこれまでが異常だったのか?

妖怪が巫女を、咲良さんほどの霊力を目の前にして、理性を保っていられるわけがない。

抑えて抑えて抑えて、今、限界が来たのだ。

「は……最悪……」

何で今なんだよ。

何でもっと早く来なかったんだよ!

それなら簡単に諦められたかもしれないのに……。