ふたつのさくら

手を繋いであてもなく歩く。

目的もない、ただの散歩だ。

だけど。

うーん、言おうか。

言っちゃっていいものか?これ。

……耐えててもしょうがないか。

「朔羅、お腹すいた。ご飯食べよ。」

時刻は午後1時過ぎ。

アクアリウムで思ったよりも時間を使ったらしく、気づいたらこんな時間になっていた。

「……あぁ、そうですね。」

あれ?朔羅の反応が悪い?

なんか別のこと考えていたのかな?

まあ、いいか。

「私、オムライス食べたい!」

「いいですね。確か、専門店があったはずです。」

気のせいっぽいし。

「そうそう!さっきマップで見つけて、気になっちゃったんだよね。」

「お?場所、覚えてますか?」

朔羅が意地悪く聞いてきた。

「……場所は覚えてるよ、多分。」

自信なく答えると、朔羅はにやにやしながら言った。

「じゃあ僕を連れてってください。場所、知らないので。」

……絶対嘘だ〜!

朔羅ここに来るの初めてじゃないし、さっき一緒にマップ見てるし。

それに、悪いこと企んでる顔してるもん!

「咲良さーん?」

何も答えずに止まっている私を急かすように、朔羅が顔を覗き込んできた。

近い。

……もー!なるようになれー!

「どうなっても知らないからね!」