ふたつのさくら

どこがいいかな?

あ、あそこにしよう!

「朔羅、この前話してたところ行きたい!あの新しく雑貨屋が出来たって言ってたとこ。」

そう言うと朔羅は驚いたような顔をして、思わずと言った風に言葉を漏らした。

「……そんなところでいいんですか?」

言ってから慌てて口を塞いでるけど。

……朔羅さん?

「そんなところって何?そんなこと言う子に育てた覚えはありません。もう、朔羅は置いてきます!」

「僕も咲良さんに育てられた覚えはないんですけど……。」

何か言ってる朔羅は無視して、言いたいことだけ言って先に進む。

朔羅は私を追いかけようとして、足を止めたらしい。

すぐに追いついてこなかった。

私も足を止めた。

目の前には十字路があった。

……やべぇ〜。

いつもと違う道通ってるから駅まで行けない……。

どうする?どうすればいい?渡貫咲良はどうするのが正解?

取れる選択肢はひとつだけだった。

……全てを諦めて、半泣きで振り向いた。

「朔羅ぁ……」

それをみて朔羅は、ふっと笑って近づいてきた。

「はいはい。駅はこっちですよ。全く……困ったお嬢さんですね。」

「う……」

……何も言い返せない……。