ふたつのさくら

1人で家を飛び出して、1人で朔羅の家に向かって走る。

しばらく走ったが、やっぱり朔羅の家には着けなかった。

もう、ほんと嫌になる。

前と同じように森に入って、奥へと進む。

転ばないように気をつけながら暗い中を歩いていると、広い空間に出た。

何もかも、前と同じだ。

だけど、そこに朔羅はいなかった。

「よかった……」

その場にへたり込む。

朔羅がいない。

ここには、朔羅はいない。

きっと寝てるんだ。

自分の部屋でぐっすりと寝てる。

だから電話に出なかった。

今向こうからやってきた人が、朔羅なわけない……。