ふたつのさくら

早足で待ち合わせ場所である郵便局に向かう。

急げば全然間に合いそうだったから。

10分ほど歩くと郵便局が見えてきた。

すでに咲良さんがいて、本を読みながら待っているようだ。

先に行っててよかったのに。

近づいて声をかける。

「咲良さん、お待たせしました。」

「おはよう、朔羅!もう元気なんだね!」

嬉しそうにそう言ったあと、本をしまって歩き出した。

遅れないようについていく。

2人で他愛もない話をしながら坂を登った。

「あ、そうだ。」

思い出したことがあって、咲良さんに声をかける。

「今度の土曜、空いてますか?その日なら今のところ何もないので、お出かけできますよ?」

また急に依頼が入る可能性は否定できないけど、多分大丈夫だろう。

「え?ほんと?!」

「そろそろ凍夜に任せようと思うんです。1日くらいなら先代もフォローしてくれると思いますし。」

咲良さんの顔が輝く。

「やったー!朔羅大好き!」

そう言って飛びついてきた。

かわいい!

かわいい、けど、実はこの話、まだ誰にもしてません。

まぁ、なんとかなるでしょ。

凍夜に断る理由はないし、先代は凍夜に甘いから。