ふたつのさくら

自分の部屋の布団に潜って、自分を責める。

なにもあんな言い方しなくていいだろ。

あんな突き放すように言わなくてもいいだろ。

あの人はただ、『父親』になりたかっただけ。

『先代』じゃなくて、普通の家にいるような、ただの『父親』になりたかっただけなのに。

僕は拒んだ。

「最悪……」

せっかく、先代から歩み寄ってきたのに。

そんな考えを遮るように、携帯の通知音が鳴った。

部屋を見渡して、机の上にあるのを見つける。

椅子に座って画面をつけると、メッセージが一件、入っていた。

咲良さんからだ。

トーク画面を開く。

『ねえ朔羅、一緒に逃げよう?』

「っ……」