ふたつのさくら

……目を覚ますと、隣で凍夜が寝ていた。

外がまだ暗いから、夜中なのだろう。

凍夜を起こさないようにしながら、静かに布団を出る。

体が重いし、平衡感覚が狂ってて気持ち悪いけど、耐えられないほどじゃない。

スマホを確認する。

時刻は夜中の2時。

人の時間が終わり、妖怪の時間が始まる頃だ。

部屋を出て、台所へ向かう。

結局夕飯も食べていないから、ひどくお腹がすいていた。

電気をつけて冷蔵庫の方を向くと、紙が貼ってあるのが目につく。

そこには「朔羅、起きたら食べなさい」と、丁寧な字で書いてあった。

こういうことは初めてじゃないから、取っといてくれたのかな?

冷蔵庫を開けるとラップをかけられた器がいくつか入っている。

恐らくこれのことだろう。

器を取り出し、全部まとめて電子レンジで温める。

そして机に並べ、椅子に座った。

「いただきます。」

一口食べてみて、違和感。

「ん……?」

もう一口食べる。

やっぱり何か違う感じがする。

違うような気はするのに、その違和感の正体が何かは全く分からなかった。

「……ごちそうさまでした。」

釈然としない感じはありながらもご飯を食べ終え、食器を洗う。

簡単にシャワーを浴びて部屋に戻り、アラームをセットしてから、また眠りについた。