ふたつのさくら

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それから2日後、僕はまた目を開けた。

死ぬつもりだったのに、もうこれで死んでもいいと思ったのに。

咲良さんを守れなかった自分に、生きてる価値なんてないのに。

再び、目を開けてしまった。

なんで何回も死にかけてるのに、あと一歩先まで行けないのかな。

それとも行かせてもらえないのか?

もういいのに。

菖蒲だって、凍夜だって、他のみんなだって。

めんどくさいだろ?

僕なんていないほうがいいって、心の中では思ってるんだろ?

それさ、心の中じゃなくて、口に出して言ってくれない?

そしたら僕はさ、本当の意味で壊れて、どこかへ行ける気がする。

もう何もかもが限界なんだよ。

体は言うことを聞かないし、頭はずっとぼーっとしてて重いし。

人間のご飯は食べられないのに妖怪の魂は食べられるし。

これから生きていこうと思ったら、アレ食べるしかないんだよ。

不味くてグロい。

魂がなくなった妖怪の死骸は、多分消えないから、掃除が大変。

普通の人には見えないけど、僕らには、咲良さんには見えるからね、アレ。

首なし死体なんて見て、咲良さんのトラウマになったらどう責任取るのさ。

なあ徒野朔羅。

お前に言ってんだよ。

マジでふざけんなよ。

お前なんでまだ生きてんだよ。

なんでまだ死んでないんだよ。

いい加減こっちに、咲良さんにしがみつくのやめろよ。

菖蒲にも凍夜にも、その他大勢の人にも、迷惑かかってんの分からない?

分からないんだろうね。

だからこうやってひたすら自分を責めるだけで、行動に移さないんだ。

早く死ね。

地獄に堕ちろ。

みんな、自分も、そのほうがいいって思ってんだろ?