ふたつのさくら

「……お嬢様。」

奏美が戻ってきた。

後ろには医者らしき女性が立っている。

「軽く診察を受けて、大丈夫そうなら帰りましょうか。」

頷いた。

いくつか質問に答えながら、触診を受ける。

奏美は部屋の外に出され、服を捲られた。

お腹の大きなあざがあらわになる。

やばいなー、とどこか他人事のように考えた。

医者が口を開く。

「……これ、ちゃんと温めれば、そんなに長引くことなく消えると思うから、めんどくさがらずに湯船に浸かってね。」

「はい……」

返事はしたけど、大して聞いてなかった。

まぁ、奏美たちにも同じこと言ってるはずだから、大丈夫だろう。