ふたつのさくら

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朔羅からの電話が切れた。

「さよなら」ってなに?

わざわざそれを言うために電話してきたの?

だとしたらもう会えないってこと?

掛け直す。

……。

『おかけになった電話は電波の届かない……』

切った。

昨日と同じ。

電源を切ったんだ。

そういえば、昨日から朔羅の様子はおかしかった。

朔羅はどんなに疲れてても、体調が悪くても、それを私に分かるようにはやらない。

私に心配されたくないから。

意地でも隠そうとする。

だけど昨日は隠せてなかった。

一瞬だし、朔羅は隠そうとしてたけど、絶対に体調悪かった。

それに今の声だって、普段の朔羅とは全然違った。

なにがどう違ったか説明しろって言われても難しいけど、なんか今にも死にそうな声してた。

もしかして「さよなら」って、今から死ぬってこと……?

「っ!?」

その可能性に気づいた瞬間、私は部屋を飛び出した。

廊下を走って玄関に向かう。

朝早くから働いている使用人が何人か声をかけてきたけど、それどころじゃない。

外に出て、朔羅の家があるであろう方向に向かった。

全力で走れば、10分くらいで着くはずだ。

だけど……。