ふたつのさくら

……どれだけ歩いただろうか。

実際は10分程度だろうが、体感ではもう3時間は歩いている気がする。

あの場所、僕の運命が変わった、森の中の開けた空間に、やっとたどり着いた。

「……気持ち悪い……」

何度来ても慣れない。

僕はその中心に座った。

ここは開けてはいるけど、森の中心のさらに奥だ。

人がやってくることなんて、まずない。

代わりに動物たちは、ここに集まって、休んだり、遊んだりってことをしてるかもしれない。

そう考えると、ちょっと申し訳ないな。

ポケットから薬を取り出した。

一気には……さすがに無理だから、3、4錠手にとって、そのまま口に入れる。

水は持ってきてない。

持ってくれば良かったな。

飲み込むのが死ぬほど辛い。

やっとのことで飲み込んだら、今度は吐き気との戦いだ。

吐き出したらせっかく飲み込んだのに、意味がなくなる。

なんとか堪えて、その後も、薬を飲み続けた。

空になった瓶を落として、その場に寝転がる。

吐きそう……。

目を閉じた。

願わくば、もう覚めることがないよう……。