ふたつのさくら

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急いで電話を切って、携帯を机の上に置く。

すぐに掛け直されたが、無視して椅子から立ち上がった。

つもりだった。

立ち上がった直後、平衡感覚が狂ったように視界がぐらつき、そのまま床に倒れ込む。

咄嗟に受け身を取ることはできたから、怪我をすることはなかった。

這うようにして布団に入って、ほっと一息つく。

「……余計なこと、言ったな……。」

最後に気が緩んだ。

元気だったら、なんて言わなくてもいいだろ。

絶対心配してくるよ。

完全に自己責任だ……。

結局、言いたいことも言えなかったし……。

咲良さんにはああ言ったけど、実はちゃんと用はあった。

わざわざ電話にしたのは声が聞きたかったからだけど……。