ふたつのさくら

……約1時間後、片付けを全て終わらせてから、再び朔羅の部屋に向かった。

お嬢のうどんと天ぷらはめちゃくちゃうまかった。

「入るぞー。」

一応声をかけてから襖を開ける。

朔羅は布団に寝転がっていた。

机の上の食器を確認する。

うどんのほうは半分くらい食べれたらしい。

天ぷらは全く手をつけていなかった。

まあ、重いからな。

多分お嬢も、それを分かってて持ってきたんだろう。

食器を乗せたお盆を勉強机のほうに移して、ローテーブルを片付けた。

朔羅の横に座り、顔を覗き込む。

顔色は悪くない。

今度は首元に手を当てた。

「っ……」

俺の手が冷たかったのか、朔羅は逃げようとした。

「我慢して。」

そう声をかけて、体温と脈を確認する。

若干体温が高いかなぁ、くらいで、めちゃくちゃ危ないってことはなさそうだ。

よかった。

さっきよりは全然状態が良くなっているみたいだ。

「朔羅、お通夜のプリント、昨日もらったでしょ?それに、うちがいる場所載ってるから、なんかあったら呼べよ。」

朔羅は無言で頷いた。

それを見てから、俺は食器類を持って部屋を出た。