ふたつのさくら

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放課後。

奏美に言われた通り、教室で奏美が来るのを待っていた。

自分の席に座って携帯を開く。

朔羅から、ちゃんと返事が来ていた。

「……うどんかぁ。食欲ないって言ってるし……」

さっぱりしたやつのほうが食べやすいかな?

おろしうどんにしようか。

それだけじゃ寂しいから、食べれるかわからないけど、天ぷらも。

凍夜くんも、大根おろしは食べれるよね?

それにうどんなら、できたものを持って行くよりも、朔羅の家で作ったほうが良さそう。

じゃあ一旦家に帰って、材料だけ持って、徒野家に行けばいいかな?

あ、でも今朔羅の家は忙しいから無理かも。

揚げ物もあるし……結局家で作るのがいいか。

うどんは……つゆと大根おろしとうどんで分けて、向こうで盛り付けてもらおう。

「あ、そういえば……」

この後のプランが決まったところで、私はひとつのことを思い出した。

朔羅の席に向かう。

昨日、朔羅が置いてったものが、そこにはたくさん入っていた。

「このプリントと、これが宿題のノートかな?あとは筆箱っと……。」

届けたほうがいいものをまとめて、自分の席に戻る。

かばんからいつも持ってきている予備の手提げを出して、その中に丁寧に入れた。

まだ奏美が来る気配はない。

椅子に座り、本を取り出した。