ふたつのさくら

こっちの話が終わったのを確認して、警察官はまた口を開いた。

「こちらで分かっていることは以上になります。また新たに分かったことがあり次第連絡させていただきます。」

それだけ言って、部屋を出ていった。

誰にも分からないように、ほっと息をつく。

これは、いよいよ家族以外とは会えなくなるな……。

ずっと黙っていた菖蒲が口を開く。

「朔羅、血、止まんない。」

今の話と全く関係なかった。

「お前、どんだけ深く刺したの?」

「多分貫通してたぞ?」

先代が力無い声で、しかし茶化したように言ってくる。

それだけ元気なら、精神的なところは心配しないでいいか。

「貫通は……」

思い返す。

なんかしてた気もするし、してなかった気もする。

「わかんない。でも止まんないならもういいよ。疲れるでしょ。」

あとは包帯巻いとけば、勝手に止まるだろう。

菖蒲は僕の言葉にため息をつきながら返した。

「はぁ……だから、何度も言ってるだろ?自分の体大事にしろって。ちゃんと止まるまではこのまま。」

「……はぁ。」

一切止める気のない菖蒲に、ため息をつくことしかできなかった。