ふたつのさくら

……泣き止んだところで、朔羅がその場の全員に声をかけた。

「……こんなところで話すのもアレですし、上がります?」

浅見さんの方を向く。

浅見さんは、頷いて話し出した。

「咲良さまのお好きになさってください。帰りは送ってくれるのでしょう?」

「もちろんです。」

朔羅が返事をする。

「ちょっとだけ、お邪魔しようかな?」

今日できなかった分、存分にいちゃいちゃしてやる!

私がそう答えると、朔羅は嬉しそうに笑って頷いた。





浅見さんが帰って、私と朔羅、そして凍夜くんは、玄関から1番近い位置にある、凍夜くんの部屋に来ていた。

なんで?

私がここに来るときはだいたい朔羅の部屋なのに、なんで?

いや、今は部屋なんてどうでもいい。

それよりもこの状況、なに?

……えー、わからない方のために、ただいまの状況を説明しましょう。

まず、床に小さなテーブルが置いてあって、その上には湯呑みが3つ。

3人いるからね。

そのテーブルに今私座ってるんだけど。

目の前には朔羅が座っていて、ズズズと、お茶を飲んでいるんですよ。

で、その左側には木刀があってですね?

反対の右側には半泣きで正座している凍夜くん。

と、なぜか同じようにさせられている、菖蒲さん。

ワッツ??

凍夜くんが怒られてるのは分かる。

かわいそうではあるけど、とんでもない嘘ついたから。

ほんとに怖かったんだからね!

ある意味自業自得だと思う。

私も怒ったし。

けど、菖蒲さんはなに?

この人、どっから湧いて出てきたの?!