ふたつのさくら

……今日の化学は実験。

酢酸の中和滴定を行う。

最初は先生から実験のやり方や、注意事項の説明を受ける。

化学の先生はもうすぐ定年退職を迎えるようなおじいちゃん先生だ。

教え方が上手で、すごく分かりやすい授業をしてくれる。

気性は穏やかで、怒ることは滅多にない。

授業中に寝てても、「おきてー」で済ませるくらい。

そんな感じの、基本的にゆるゆるな先生なんだけど、生徒には嫌われている。

なんでかっていうと……。






「……だからねー、こうしないといかんだにー。それでねー、これを、こうするだらー?」

みたいな感じで、のんびりゆっくり話すから、眠くなるのなんのって!

私はシャーペンを手に刺しながら、何とか眠気を耐えていた。

そして10分後……。

「それじゃ実験始めるにー。みんな気をつけてやるだよー。」

やっと説明が終わり、椅子から立ち上がる。

伸びをして、眠気を意識の外へと追い払った。