ふたつのさくら

朝のショートが終わり、朔羅の荷物を保健室に持って行こうとしたら、先生に取り上げられた。

「俺持ってくから、大丈夫だよ。」

「でも……」

帰りに寄るつもりだけど、やっぱり心配だった。

「1時間目、移動教室だろ?」

1時間目の化学を行う化学室は、この教室の対角線上にある。

つまり、1番遠いのだ。

保健室に荷物を届けてからだと、間違いなく間に合わない。

それを言われたら、引き下がるしかなかった。

「……お願いします……。」

先生に荷物を預けて、自分の席に戻る。

ふと、机の上の付箋が目についた。

「あ……」

クラス間レクの連絡、忘れてた。

「……帰りでいっか。」

そうつぶやいて、授業の準備をする。

教科書と、ノートと、筆記用具と……。

持ち物の確認をしていると、横から声をかけられた。

「さーくちゃん!一緒に行こ!」

璃奈だった。

「うん……」

返事をして、荷物を持つ。

廊下に出て、ロッカーから白衣を取り出して、璃奈に声をかけた。

「おまたせ。」

璃奈は頷いて、隣を歩いた。