ふたつのさくら

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朔羅が先に行っちゃってから、私は璃奈とのんびりと校舎に向かっていた。

「さっくん、呼び出しかー。大丈夫かな?」

璃奈が冗談めかして言う。

「どうだろ?もしかしたら先生のこと、言い負かしてるかもしれないね!」

同じように、答えた。

でも珍しいな。

朔羅が呼び出されることもそうだし、それをここに来るまで忘れてるなんて。

まぁ、気にしてもしょうがないんだけど。

「それはそうと、璃奈。」

「ん?どした?」

朔羅はいないし、まだ早い時間だからか、他の生徒もいない。

今のうちに、言いたいこと言ってやろう!

「あなた、朔羅のこと好きなの?」

……はっきり聞きすぎたー!

いや、でも!

朔羅明らかに逃げてるのにくっついてるし!

他の男子と話すときは半径50センチ以内には入らないのに、朔羅のときだけ30センチくらいにいるし!

先週なんて!

朔羅の前で泣いてたし!!

咲良さん見てたんだから!!

いい?!

女の涙を見るとね、男はころっといっちゃうのよ?!

……っていうのは置いといて。