言葉の通り、取り乱すことはなかった。
でもさすがに驚いたようで、目は見開かれていた。
「妖怪の力がコントロールできなくなると、どうなると思います?」
先生に聞いた。
先生は動揺しながらも口を開く。
「えっと、それは……さっきみたいに、暴れる……とか?」
半分正解。
「確かにそうです。でも暴れて、何をするのか。」
「……」
先生は答えなかった。
暴れることに理由なんてないだろ、とか思ってそう。
「妖怪、特に朔羅の場合は、食人衝動が強くなります。人間を、食べたくなるんです。」
「しょっ……!?そんなことが……」
あり得ないと思うだろう?
でもあり得るんだよ。
朔羅が俺に言ったんだ。
ずっと前だけど。
周りの人間が食べ物にしか見えない、特にお嬢は美味しそうだ、って。
「事実です。妖怪は人を食べます。」
先生は顎に手を当てて、小さく呟いた。
「……でも確かに、前に徒野は言ってた気がする。完全に妖怪に取り込まれて、なんの対策もしなかったら俺を食い殺すって……。」
あ、そっか。
この人、あの狛犬の子の家族か。
朔羅、そこまで伝えたんだね。
「そうですね。それで、理性の飛んだ朔羅が1番に狙うのは間違いなくお嬢……渡貫咲良です。」
先生は声もなく驚いた。
この人、驚いてばかりだな。
「渡貫の巫女は霊力が高い。だから妖怪にとってはご馳走なんです。それに、お嬢は少し特別で、他の人よりも霊力が多いんですよ。」
ご馳走の中のご馳走って感じだな。
「そんな子が近くにいたら、襲うのは道理。でも先生も知っての通り、朔羅はお嬢をとても大事にしています。」
口を開けば「咲良さんかわいい。」って言う朔羅が、お嬢のことが嫌いなわけないだろ?
自分が壊れそうになりながらも一緒に登校して、下校して、遠出して。
それだけ大切にしている、大好きなお嬢のことを、無意識とはいえ傷つけることを朔羅が許すと思うか?
「大好きで、大切で、大事なお嬢を守るために、朔羅は死のうと思っている。」
最初はあんなに嫌ってたのに、今じゃもう、お嬢なしでは生きていけないもんな。
あれだな、愛が人を狂わせるってのは本当なんだな。
「朔羅のことだから、自分が死んだあとにお嬢が追ってこないような対策はするでしょう。それに今すぐ、じゃなくて、弟が大きくなるまでは、こいつも死にそうになりながら生きると思います。」
先生が躊躇いがちに口を開いた。
「……それは、どのくらいの信用度が……」
「完璧だよ……」
でもさすがに驚いたようで、目は見開かれていた。
「妖怪の力がコントロールできなくなると、どうなると思います?」
先生に聞いた。
先生は動揺しながらも口を開く。
「えっと、それは……さっきみたいに、暴れる……とか?」
半分正解。
「確かにそうです。でも暴れて、何をするのか。」
「……」
先生は答えなかった。
暴れることに理由なんてないだろ、とか思ってそう。
「妖怪、特に朔羅の場合は、食人衝動が強くなります。人間を、食べたくなるんです。」
「しょっ……!?そんなことが……」
あり得ないと思うだろう?
でもあり得るんだよ。
朔羅が俺に言ったんだ。
ずっと前だけど。
周りの人間が食べ物にしか見えない、特にお嬢は美味しそうだ、って。
「事実です。妖怪は人を食べます。」
先生は顎に手を当てて、小さく呟いた。
「……でも確かに、前に徒野は言ってた気がする。完全に妖怪に取り込まれて、なんの対策もしなかったら俺を食い殺すって……。」
あ、そっか。
この人、あの狛犬の子の家族か。
朔羅、そこまで伝えたんだね。
「そうですね。それで、理性の飛んだ朔羅が1番に狙うのは間違いなくお嬢……渡貫咲良です。」
先生は声もなく驚いた。
この人、驚いてばかりだな。
「渡貫の巫女は霊力が高い。だから妖怪にとってはご馳走なんです。それに、お嬢は少し特別で、他の人よりも霊力が多いんですよ。」
ご馳走の中のご馳走って感じだな。
「そんな子が近くにいたら、襲うのは道理。でも先生も知っての通り、朔羅はお嬢をとても大事にしています。」
口を開けば「咲良さんかわいい。」って言う朔羅が、お嬢のことが嫌いなわけないだろ?
自分が壊れそうになりながらも一緒に登校して、下校して、遠出して。
それだけ大切にしている、大好きなお嬢のことを、無意識とはいえ傷つけることを朔羅が許すと思うか?
「大好きで、大切で、大事なお嬢を守るために、朔羅は死のうと思っている。」
最初はあんなに嫌ってたのに、今じゃもう、お嬢なしでは生きていけないもんな。
あれだな、愛が人を狂わせるってのは本当なんだな。
「朔羅のことだから、自分が死んだあとにお嬢が追ってこないような対策はするでしょう。それに今すぐ、じゃなくて、弟が大きくなるまでは、こいつも死にそうになりながら生きると思います。」
先生が躊躇いがちに口を開いた。
「……それは、どのくらいの信用度が……」
「完璧だよ……」

