ふたつのさくら

誤解されないように説明しておくと、この海琳学園には制服がある。

男女ともにブレザーだ。

男子がズボンで、女子がスカート。

多くの生徒はその認識だ。

だけど、実はここにそんな決まりはない。

男子がスカート履いてもいいし、女子がズボンスタイルでもなんの問題もないのだ。

実際、学年に何人か、女子でもズボン姿の生徒がいる。

それで俺なんだけど。

去年、俺はスカートを履いていた。






……なんてことあるか!

勝手に俺を女装癖のある変態にするな!

朔羅と同じようにズボンの制服を着ていたんだけど、ちょっとそのとき、髪を伸ばしてて……。

なんか、切りに行くのがめんどくさかったんだよね。

それに俺の顔はどちらかというと童顔、女顔。

菖蒲なんて言う、女みたいな名前。

だからなのか、俺を女だと誤解している人が大勢いた。

いや、いる。

ここにも、いたな。

「……そう、ですか……失礼しました……。」

先生が力無く呟いた。

……これが1番衝撃だったっぽいな。

さて、話題が逸れたけど。

そろそろ、ね。

「朔羅の、話をしましょうか。」

朔羅の隣に腰掛け、自分の足を枕にするように朔羅を寝かす。

「お願いします……!」

先生の表情が引き締まる。

「……朔羅がどれだけ話してるか分からないので重複する部分もあると思うんですが……。」

「構いません。」

さーて、どっから話すかなー。

「質問があったら都度聞いてください。多分忘れるので。」

先生が頷いたのを確認して、話し出した。