ふたつのさくら

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まったく、いきなり電話がかかってきて、何事かと思ったら迎え来いって、困ったやつだな。

今日は大学は行けないか。

朔羅が眠ったのを確認して、俺は先生に声をかけた。

「……そこでちょっと話しましょう。」

「は、はい……。」

朔羅がいるソファの対角線上に置いてもらった椅子に腰掛ける。

先生は対面に座った。

寝てても危ない……っていうか、意識のない状態の方が危ないんだけど、今は先生と話しておいた方がいいと思った。

いつも俺がいるわけじゃない。

だから先生と、それから生徒の安全のためにも、教えておかないと。

「えっと……うちは、化野……」

言いかけたところでチャイムが鳴った。

あー、先生行ったほうが良いやつよね?

「……先生、時間取れる時ってありますかね?」

先生は少し考えて返事をした。

「えーと……1時間目は授業が入っていないので、その時間なら……。」

8時半ごろから……。

大丈夫か。

「じゃあその時にお話いいですか?」

「分かりました。少しここで待っててください。」

先生は駆け足で部屋を出ていった。

朔羅の様子を確認する。

脈も呼吸も早い。

体温も、測ってないから正確には分からないけど、かなり高い。

なんで今日は学校に来るまで気づけなかったんだ?

大体家で分かってるもんだと思ってたけど……。

んー……考えてもしょうがないか。

結局、全てをたまたまで済ましてしまう俺だった。