王太子に婚約破棄された地味令嬢ですが、病める時も健やかなる時も騎士団長から愛されるなんて聞いていません!

『我が国もレイド国との取引はやめよう。カヤ国とは水質を良くするために協力していきたいからね』
『うちもカヤ国に小麦の加工品の相談がしたいからレイド国とは距離を置こう』
 ミーグ国王、メア国王にもここの会話がしっかり聞こえている!?
『王太子妃は愛されてるなぁ~』
 いやはや若いっていいねぇとイべンセ語のつぶやきまで聞こえたセリーナは、真っ赤な顔で「早く扉を閉めてください」と頼むことしかできなかった。

    ◇

 エリオットは廃嫡され北の塔に幽閉となった。
 アンジェラは招待されていない夜会に出席した侵入罪と不敬罪で修道院へ。
 エリオットの代わりに王太子になった第二王子がスティーブンとセリーナのもとへ謝罪に訪れた。
 レイド国の国民を食糧難にするつもりはなかったスティーブンはすぐに取引を再開。
 大きな混乱はなく、ただレイド国の王太子が交代しただけという結果に収まった。
 
 カヤ国の王太子スティーブンは怒らせると怖いが愛妻家、王太子妃セリーナは語学堪能な美しい女性だと話題に。
 10年間王太子と王太子妃を務めた二人の功績は計り知れないほど大きいものとなった。
 
 
『王太子に婚約破棄された地味令嬢ですが、病める時も健やかなる時も騎士団長から愛されるなんて聞いていません!』

 エリオットに婚約破棄されたあの日から変わらず毎日愛を囁いてくれるスティーブンとの間には、息子2人と娘1人が生まれた。
 賑やかな日々はあっという間に過ぎていく。
「セリーナ、愛している」
 30年たっても変わらないスティーブンにセリーナは「私も愛しています」と微笑んだ。

   END