『大事な話があるから絶対に参加するように』
セリーナは婚約者であるエリオット王太子から10年ぶりに手紙をもらった。
ドレスコードはブラウン。
花が咲き乱れる王宮の庭園で茶会を開催するので、花よりも美しいドレスは着用しないようにと書かれていた。
それが嘘だと気がついたのは、王宮に着いてから。
色とりどりの美しいドレスを着用した令嬢たちと、カラフルなジャケットを着用した子息たちを見たセリーナは、地味な自分の姿に苦笑した。
「王太子殿下主催のお茶会で、あのドレス?」
「あんな地味な女が婚約者なんて王太子殿下が可哀想だ」
ひそひそどころか、みなさん声が大きすぎませんか?
セリーナが居心地の悪い茶会の片隅で待ってると、誰よりも派手な白と金の王子服に身を包んだ婚約者のエリオットがこちらに向かってくる。
だがエリオットの隣には、こぼれ落ちそうな胸をエリオットの腕に押し当てた女性の姿があった。
「みんな! よく聞いてくれ! 俺はセリーナ・ダンヴィル公爵令嬢との婚約を解消し、平民でありながら心優しく美しいアンジェラへの愛をここに誓う!」
グイッとアンジェラの肩を引き寄せ、胸の谷間に鼻の下を伸ばした残念な元婚約者の姿にセリーナは溜息をつく。
「あなたみたいな地味な女がエリオットの隣に並ぶなんて国民が納得しないわ」
でも平民のアンジェラが隣に並ぶのも納得しないのではないだろうか?
そんなことを言ったらアンジェラを蔑んだと怒り出すから言わないけれど。
「アンジェラの言うとおりだ! 俺の隣は美しいアンジェラがふさわしい」
そうだろ、みんな! とエリオットが声をかけると、会場内は大きな拍手に包まれた。
セリーナは婚約者であるエリオット王太子から10年ぶりに手紙をもらった。
ドレスコードはブラウン。
花が咲き乱れる王宮の庭園で茶会を開催するので、花よりも美しいドレスは着用しないようにと書かれていた。
それが嘘だと気がついたのは、王宮に着いてから。
色とりどりの美しいドレスを着用した令嬢たちと、カラフルなジャケットを着用した子息たちを見たセリーナは、地味な自分の姿に苦笑した。
「王太子殿下主催のお茶会で、あのドレス?」
「あんな地味な女が婚約者なんて王太子殿下が可哀想だ」
ひそひそどころか、みなさん声が大きすぎませんか?
セリーナが居心地の悪い茶会の片隅で待ってると、誰よりも派手な白と金の王子服に身を包んだ婚約者のエリオットがこちらに向かってくる。
だがエリオットの隣には、こぼれ落ちそうな胸をエリオットの腕に押し当てた女性の姿があった。
「みんな! よく聞いてくれ! 俺はセリーナ・ダンヴィル公爵令嬢との婚約を解消し、平民でありながら心優しく美しいアンジェラへの愛をここに誓う!」
グイッとアンジェラの肩を引き寄せ、胸の谷間に鼻の下を伸ばした残念な元婚約者の姿にセリーナは溜息をつく。
「あなたみたいな地味な女がエリオットの隣に並ぶなんて国民が納得しないわ」
でも平民のアンジェラが隣に並ぶのも納得しないのではないだろうか?
そんなことを言ったらアンジェラを蔑んだと怒り出すから言わないけれど。
「アンジェラの言うとおりだ! 俺の隣は美しいアンジェラがふさわしい」
そうだろ、みんな! とエリオットが声をかけると、会場内は大きな拍手に包まれた。



