俺様御曹司は欲しい

指をクイクイ動かしながらニヤッとする九条。相変わらずの変態デリカシー皆無男。こんなやつ存在自体が18禁みたいなもんだから、全身にモザイクかけてもらって。

「彼氏にモザイクかける女がどこにいんだよ」

ここにいますけど?あんたなんてモザイクがかかってるくらいが丁度いいのよ。

「で、なんなの?」

「あ?なにがー?」

「今日なんか変じゃない?あんた。ま、いつも変だけど」

「おい~、唐突な悪口ブッ込んでくんのやめてくんね~?そんな俺も大好きなくせに七瀬ちゃーん」

いや、別に変態な九条を好きになったつもりは1ミリもないんだけど。むしろ不快な時しかない、なんでこんな男を好きになったんだろうって今でも不思議なレベル。

ヘラヘラしながらあたしの肩を抱き寄せて思いっきり体重をかけてくる九条に殺意すら芽生える。

「ねえ、重いって」

「なあ、俺のこと好き?」

「重い」

「好き?」

気だるそうに歩きながらあたしの肩を抱いて顔を覗かせてくる九条。悔しいけど、憎たらしいほどに眉目秀麗。なんかこう日に日に色気増してってない?この男。

しかもちょっと身長伸びた?あんたどこまで成長するつもり?で、無駄にイケボなのやめて。無駄にいい匂いすんのもやめて。