俺様御曹司は欲しい

「はあーあ。ったく、なんっもわかってねぇなお前は。好きな女がそんな格好してたら我慢できずに理性ブッ飛ぶに決まってんだろ。いちいち言わせんな。それともなにかぁ?俺に抱かれる覚悟できたんかよ、今ならブッ壊れるほど抱いてやる自信しかねぇけど?それでもいいか?あ?」

あたしは全っ力で首を横に振った。

「一丁前に煽ってきてんじゃねぇよっつーこと、オッケー?」

「オッケーって、ひゃい!?」

子供を抱っこするノリでひょいとあたしを抱っこできちゃう九条ってマジでゴリラだと思う。

で、あたしを抱っこしたままソファーに座って口を開けてる九条に『なにしてんの、この人』って疑問符が飛び交って、それをポケーッとした顔で見つめるあたし。

「あの、なにしてんのあんた。口なんて開けて」

「お前、マジでブチ犯すぞ」

「え、なに」

「チッ。だぁから、あーんしてぇんだろ?させてやんだよ、仕方ねぇから!」

ちょっと恥ずかしそうにしてる九条がどうしよもなく愛おしい。今日くらい、いいよね?

「してほしいの間違えでは?」

「あ?おまっ!?」

チョコを唇で挟んでそのまま九条の唇にコツンと押し当てると、あたしの唇ごとパクッと食べてきた。そんな九条の頭を軽くベチッと叩くと、フッと優しく鼻で笑ってあたしを抱きしめながら唇を奪ってくる。