俺様御曹司は欲しい

ええ、たしかにそうよ、そうですよ。この教室で補習受けてんのはあたしだけですよ?先生なんて九条に怯えちゃって教室の片隅ですみっこぐらし状態だし、どうしてくれんのよこれ。

「はぁ、もう補習の授業どころじゃないじゃん」

「だぁから俺が教えてやるっつってんだろ。補習なんていちいち受けんじゃねーよ。だいたいお前は危機管理っつーもんがまるでなってねぇ」

「なに言ってんのあんたは」

「あ?教室で野郎とふたりっきりになんなっつってんだよ」

「馬鹿じゃないの?」

「あ?馬鹿に馬鹿なんざ言われたかねぇっつーの」

「チッ。先生、九条様がビービー喧しいんで申し訳ありませんが今日はお暇させていただきます」

「おまっ」

椅子から立ち上がったあたしを取っ捕まえようとした九条をひょいっと躱して、フンッと鼻で笑いながら教室を後にした……ら羽交い締めされて結局死にそうになってるあたしです。

「ギブギブギブギブ!!」

「上手にごめんなさいって言えたら許してやるよ」

「なんっであたしが謝んなきゃいけないのよ!」

「あ?犯すぞ」

「コロス」

「ったく、死ぬほど可愛くねぇなお前」

なんてぶつくさ言いながらあたしを解放したこと後悔しなさいよ、こんのクズ御曹司が。