俺様御曹司は欲しい

お菓子とかも買っちゃお。あおくんのお母さんと合流できたらアレルギーの有無確認してあげればいいし。あんなにも小さいのに1人で頑張ってるんだもん、ご褒美くらいあげてもいいでしょう!

恐ろしいほどの合計金額にちょっとガタガタ震えながら『臆するな!』と言い聞かせ、支払いを済ませて九条達のもとへ向かった。コンビニで約3千円はマジでビビるわ。

「お前、なんだそれ」

両手にパンパンのビニール袋を引っ提げてるあたしを見て呆れてる九条と苦笑いしてるあおくん。

この後、交番へ行ったらあおくんのお母さんがいて無事に再会を果たした。あおくんにいっぱい飲み物とお菓子を持たせてあげて、あおくんのお母さんからお金を受け取ってほしいってお願いされたけど、勝手にしたことだからって断った。

改めてお礼がしたい、せめて名前だけでもって言われたけど九条もあたしも『名乗るほどでもないです』を貫き通すから諦めてくれたみたい。

何度も何度も謝罪とお礼を繰り返して、あおくんと離れ離れになって本当に生きた心地しなかったんだろうなってくらい顔は青ざめて体が震えてた。

お母さんのメンタル面が心配すぎて、旦那さんが迎えに来るまで一緒に近くのファミレスで過ごして事なきを得た。

「じゃあね、あおくん」

「うん!ぼくお兄ちゃんみたいになるね!」