俺様御曹司は欲しい

「俺にはそうやってデレデレしねーじゃん」

うん、しない。天と地がひっくり返っても絶対にしない。

「なに、こんな小さな子にまで嫉妬してんのー?」

なんてふざけて言ったつもりだった。のに、これはおそらく嫉妬してるパターンなのでは?だってめっちゃムスッとしてるし。

「俺はなぁ、年齢だのなんだの関係ねぇの。ガキだろうが老いぼれのジジイだろうが自分のモンにちょっかい出すやつは気に入らん」

「なにそれ」

思わず笑ってしまった。でもこの笑いは馬鹿にしてるわけじゃない。愛おしくて笑っちゃうやつね?九条のこういう子供っぽいところも好き。なんかもうただただ可愛い。まあ、度がすぎると鬱陶しいけどね?

「ぼく飲み物ほしい」

「じゃあお姉ちゃんが買ってきてあげるから、このお兄ちゃんとここで待っててくれる?もしかしたらママと会えるかもしれないから、ね?」

「うん!!」

「すごぉい!元気のいい返事ですね~!じゃ、そこのコンビニで買ってくるからお願いね、九条」

「へいへーい」

とはいえ、アレルギーとか心配だよね……とりあえずお茶と水と果汁100%系のジュースが無難かな?何本か買っていこ。別に無駄遣いじゃないもんね、余ったら持ち帰って律達にあげればいいんだし。