俺様御曹司は欲しい



あたし七瀬舞は天馬学園の超エリート達に囲まれて日々過ごしてるわけで、ちょっとくらい頭良くなるんじゃないかって浅はかな期待してたんだけど、それとこれとでは話が別だったみたい。

ていうか、あたしだってそこまで言うほど馬鹿じゃないんだよ?周りが頭良すぎてあたしが馬鹿キャラっぽくなってるだけ!

そんなこんなで定期テストで当然の如く赤点を取ったあたしは補習授業を受けてるんだけど、邪魔者(九条)が隣の席でまあビービーうるさいわ態度デカいわで最悪な状況です。

「おい」

「なによ」

「なあ」

「なに」

「なあ、七瀬~」

だぁーーもうマジでなんなの?こいつ。こっちは赤点の補習しなきゃ進級も危ういっていうのに俺様御曹司のかまってちゃん相手してる暇なんてないんですけど!?

「ねえ、ほんっと後にしてくんない?」

「お前ってさぁ、なーんでこうも馬鹿なのかね」

「あんたさ、殴られたいの?」

「暴力ヘンターイ」

おい。その綺麗なご尊顔こっちに寄越せ、容赦なく殴ってやる。

だいたい誰のために頑張ってると思ってんのよ。無駄にイライラさせるのやめてくんないかな。あたしを苛つかせる天才児か貴様は。

「あのさ、邪魔しないでくれるかな?」

「補習受けてんの七瀬だけじゃーん。別に邪魔にもならんでしょ」