俺様御曹司は欲しい

だって、だってさ!拓人は友達だよ?幼なじみだし!九条でいうところの凛様だよ!?別に悪いことじゃないじゃん!現に凛様から貰ってたじゃん、バレンタインの高級プロテイン!

「く、九条だって凛様から貰ってたよね?それと一緒だよ?深い意味なんてないし、毎年恒例だし」

と、なにもない床を見ながら喋るあたしは情けない。でも殺されたくもない。

「あらそ、まあいいわ。来年はこの俺が選んだやつあいつに渡せ」

「ぎょ、御意」

「んで?」

「えっと、それから霧島さんっ」

「あぁん?」

「に渡そうとしたけど『面倒なことになるのは御免なので』って受け取ってくんなかったから自分で食べた!」

「ほう、で?」

「んーっと、あとは隼人さん和美さん邦一さん」

色々あったけど九条家のみんなには本当によくしてもらってて、九条がいなくてもワイワイやっちゃう仲になってる。そんなあたし達に九条は若干呆れてるけど。

「で」

「あと宗次郎にっ」

「は?お前っ」

「あげようかなって考えたけど色々加味してやめた!」

「利口だな。で?」

「上杉先輩っ」

「あ?」

「にあげようかなとも考えたけど前田先輩の彼氏だしやめた。前田先輩には渡したけど」

「あらそ。で?」